元日本人のための在留資格認定証明書取得ガイド

外国籍取得後に日本へ長期在留するための手続きを、初心者向けにわかりやすく解説します。【全5回連載の第1回】

日本国籍を失ったら、あなたは「外国人」です――基本の仕組みを理解しよう

「日本で生まれ育ったのに、なぜビザが必要なの?」――こうした疑問を持つ方は少なくありません。海外で暮らすうちに外国籍を取得し、ふたたび日本で生活したいと考えたとき、多くの方が初めて「在留資格」という制度の存在に気づきます。この連載では、元日本人の方を対象に、在留資格認定証明書の取得に必要な知識を全5回にわたってお伝えします。まず今回は、日本国籍を失うとはどういうことか、という根本的な部分から整理しましょう。

日本国籍の喪失と国籍法第11条

日本の国籍法第11条は、「日本国民は、自己の志望によって外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う」と定めています。つまり、自分の意思でアメリカやカナダ、オーストラリアなどの国籍を申請・取得した時点で、法律上は自動的に日本国籍を失うことになります。届出の有無や本人の認識には関係ありません。外国国籍を取得した日が、すなわち日本国籍を失った日なのです。

「元日本人」は外国人として扱われる

日本国籍を失うと、以後は日本の法律上「外国人」として扱われます。日本に90日を超えて滞在する場合には、入管法(出入国管理及び難民認定法)に基づく在留資格の取得が義務づけられます。たとえ日本で生まれ育った方であっても、たとえ日本語が母語であっても、外国籍を有する以上は例外ではありません。在留資格を持たずに中長期にわたって日本に滞在することは、法律上「不法滞在」にあたりますので、注意が必要です。

在留資格認定証明書とは何か

在留資格認定証明書(Certificate of Eligibility、略してCOE)とは、日本に長期滞在しようとする外国人が、日本への入国前に取得する公的な認定書です。出入国在留管理庁(以下「入管庁」)が審査を行い、申請者が一定の在留資格に該当すると認めた場合に交付されます。この証明書を在外公館(日本大使館・総領事館)に提示することで、長期滞在ビザの発給を比較的スムーズに受けることができます。元日本人の方が日本に帰国して長期生活を始めるためには、まずこの認定証明書の取得が出発点となります。次回からは、元日本人の方が選択できる在留資格の種類について詳しく見ていきます。

ポイント:日本国籍の喪失は外国籍取得日に遡及します。届出が遅れていても、喪失日は「外国国籍を取得した日」です。戸籍への反映が遅れているケースも多いため、早めに国籍喪失届を在外公館に提出しておくことをお勧めします。