連載コラム:知っておきたい「共同親権」のこと

〜2026年4月スタートの新制度、当事者のためのガイド〜


第1回|「共同親権」って何? 制度の基本をおさえよう

2026年4月1日、日本の家族法が大きく変わりました。改正民法の施行により、「離婚後の共同親権」が選択できるようになったのです。これは約80年ぶりとなる親権制度の大改革で、離婚を経験した方・これから考えている方の双方に深く関わる変化です。
特に、海外在住の方に今回の改正の要点をお伝えしたいと思います。

そもそも「親権」とは何でしょうか。

親権とは、子どもが成人するまでの間、その子の生活・教育・財産などを管理し、代理する権利と義務のことです。子どもの学校を決める、医療機関での同意をする、パスポートを申請するといった場面で必要になります。

これまで日本では、離婚すると必ずどちらか一方の親だけが親権者となる「単独親権」制度が採られていました。もう一方の親は親権者ではなくなるため、子どもの重要な決定に関われないという課題がありました。

今回の改正では、離婚後も父母の双方が親権者となる「共同親権」を選択できるようになりました。ただし、共同親権が「義務」になったわけではありません。これは「選択的共同親権制」と呼ばれ、共同親権にするか単独親権にするかを、子どもの利益を最優先に考えながら選ぶ仕組みです。

まとめると、新制度のポイントは次の3つです。

① 離婚後も「共同親権」か「単独親権」かを選べるようになった ② 協議(話し合い)で決められない場合は、家庭裁判所が判断する ③ あくまでも「子の利益」が最優先の判断基準となる

次回は、実際にどうやって共同親権・単独親権を決めるのか、その手続きと判断基準を詳しくご紹介します。