元日本人のための在留資格認定証明書取得ガイド【第5回】(終)
失敗しないための注意点と、日本での生活開始後にすること
最終回では、申請にあたって特に注意すべき落とし穴と、無事に入国した後のスムーズな生活開始のために知っておきたいポイントをまとめます。
注意点①:戸籍の国籍喪失記載が最優先
外国籍を取得したにもかかわらず、国籍喪失届を在外公館に提出していないために、日本の戸籍が「現役の日本国籍」のまま残っているケースが多く見受けられます。この状態で日本のパスポートを使って入国すると、入管法違反(不法入国)に該当し、退去強制の対象となります。退去強制を受けると、5年または10年の上陸拒否期間が生じ、その間は日本への入国が認められません。まず在外公館での国籍喪失届の提出を最優先に行いましょう。
注意点②:在留資格の選択ミスに注意
自分の状況に合わない在留資格で申請した場合、不交付(不許可)となります。不交付通知を受けた場合は、入管担当官に不交付の理由を直接確認したうえで、不足書類の補完や在留資格の選定見直しを行い、再申請することが必要です。申請の前に、自分の目的・家族関係・日本との関係をきちんと整理してから在留資格を選択することが大切です。
注意点③:在留資格認定証明書はビザ発給を保証しない
在留資格認定証明書が交付されても、在外公館での査証審査で不発給となるケースがあります。証明書は入管庁が審査した結果ですが、査証審査は外務省所管の在外公館が独自に行うものです。通常は問題なく発給されますが、必ずしも保証されるわけではないことは知っておくべきでしょう。
入国後にすること
無事に入国できたら、空港で在留カードが交付されます(一部の空港は後日交付)。交付後14日以内に、住所地の市区町村役場で住民登録を行います。住民登録が完了すると、公的医療保険(国民健康保険)・介護保険への加入手続き、銀行口座の開設、マイナンバーカードの取得などが可能になります。在留カードは常時携帯が義務づけられています。また、将来の永住許可や再帰化(日本国籍の再取得)を検討する場合は、それぞれ別の手続きが必要です。元日本人の方は「簡易帰化」の対象となるため、通常より要件が緩和されますが、審査には1〜2年程度かかります。
ポイント:本連載のまとめ:元日本人の方の日本長期在留には、①国籍喪失届の提出、②適切な在留資格の選択、③認定証明書の取得、④査証申請・入国、⑤住民登録という一連のステップがあります。複雑な手続きが不安な場合は、申請取次の届出を行っている行政書士や弁護士への早期相談をお勧めします。
当センターの行政書士も申請取次の届出を行っております。お気軽にお問合せ下さい。
このシリーズの過去の記事
【第1回】日本国籍を失ったら、あなたは「外国人」です――基本の仕組みを理解しよう
【第2回】どの在留資格で申請できるか――元日本人が選べる主な類型
【第3回】申請に必要な書類と手続きの流れ――準備から入国まで
【第4回】誰が申請を代理できるか――代理人と申請取次者の範囲
