連載コラム:知っておきたい「共同親権」のこと

【第3回 / 全5回】 共同親権になったら、日常生活はどう変わる?

共同親権を選択した場合、「何かを決めるたびに相手の同意が必要になるの?」と不安に感じる方は多いのではないでしょうか。今回は親権行使のルールを、具体例を交えて整理します。

「日常の行為」は同居親が単独で決められる

改正民法では、共同親権であっても「監護および教育に関する日常の行為」については、同居している親(監護親)が単独で親権を行使できると定めています。具体的には次のような行為が該当します。

・毎日の食事、着替え、習い事の選択 ・定期的なワクチン接種など通常の医療行為 ・期限の迫った学校への提出物への対応 など

「急迫の事情」があるときも単独で動ける

緊急の入学手続き、緊急手術への同意など、急を要する場面では相手の同意を待たずに単独で対応することができます。DVや虐待から避難する場合も同様で、子どもの安全を守るための行動は単独でとることが認められています。

相手の同意が必要になる「重要事項」とは

一方で、次のような子どもの人生に重大な影響を与える事項については、原則として父母双方の合意が必要です。

・転居(特に遠方への引っ越し) ・進学先の選択、学校の入学・転校手続き ・緊急性のない手術などの重大な医療行為 ・海外留学 など

こうした場合に相手が合意しない場合は、家庭裁判所に「親権行使者の指定」を申し立てることができます。また、裁判所は特定の事項について一方の親を「親権行使者」として指定することも可能です。

共同親権を選ぶ際は、事前に「どんな場合に協議が必要か」をしっかり取り決めておくことが、トラブルを防ぐ最大のポイントです。

シリーズ目次

  1. 第1回 「共同親権」って何? 制度の基本をおさえよう
  2. 第2回 共同親権・単独親権、どうやって決まるの?
  3. 第3回 共同親権になったら、日常生活はどう変わる?(この記事)
  4. 第4回 DVや虐待がある場合、安全を守るための制度を知ろう
  5. 第5回 養育費の新ルールと、施行前に離婚した方へ

本連載は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的アドバイスではありません。具体的なご判断については弁護士・行政書士など専門家にご相談ください。