連載コラム:知っておきたい日本版「共同親権」のこと【第4回 / 全5回】 DVや虐待がある場合、安全を守るための制度を知ろう
【第4回 / 全5回】 DVや虐待がある場合、安全を守るための制度を知ろう
今回は、共同親権制度の中でも特に重要な「DV・虐待がある場合の特別ルール」について解説します。この制度が始まったことで「DV被害者が共同親権を強いられてしまうのでは?」という不安の声も多く聞かれます。その点について正確に理解しておきましょう。
DVや虐待がある場合、裁判所は必ず単独親権にする
改正民法には、明確な保護規定があります。「父母の一方が他の一方から暴力等を受けるおそれがある場合」や「父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき」、裁判所は必ず単独親権を定めなければならないとされています。これは任意規定ではなく、義務規定です。
協議離婚でも、DV被害者は共同親権を拒否できる
相手から共同親権を求められた場合でも、DV・虐待の被害者はそれに応じる義務はありません。協議が成立しなければ、家庭裁判所が判断することになり、そこでDVの事実を主張・立証することができます。
この際、証拠が非常に重要になります。診断書、写真、メッセージのスクリーンショット、日記などを日頃から保存しておくことをお勧めします。
いったん共同親権になっても、変更できる
万が一、不適切な状況で共同親権が合意された場合でも、家庭裁判所への申し立てにより単独親権に変更することは可能です。子どもの安全が脅かされる事情が生じた場合は、速やかに弁護士や配偶者暴力相談支援センターに相談してください。
相談窓口を覚えておきましょう
・配偶者暴力相談支援センター(各都道府県)
・DV相談ナビ:#8008
・法テラス(法律相談):0570-078374
一人で抱え込まず、専門家や支援機関に早めにつながることが大切です。
シリーズ目次
- 第1回 「共同親権」って何? 制度の基本をおさえよう
- 第2回 共同親権・単独親権、どうやって決まるの?
- 第3回 共同親権になったら、日常生活はどう変わる?
- 第4回 DVや虐待がある場合、安全を守るための制度を知ろう(この記事)
- 第5回 養育費の新ルールと、施行前に離婚した方へ
本連載は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的アドバイスではありません。具体的なご判断については弁護士・行政書士など専門家にご相談ください。
